スイカ食べたい日記

本・映画の感想、適応障害の経過、暴君な夫との日常

【映画感想】記憶にございません!

私はあまり映画を見ないのですが、休職中は時間もあることなので、気になっていたものをいろいろ見てみようと思います。

 

第一弾は三谷幸喜監督の「記憶にございません!」

シリアスな話は疲れてしまうかな〜と思い、コメディを選びました。

以下、感想ですが、若干ネタバレになるかもです。

 

記憶を失くした黒田総理(中井貴一さん)が「もうこんなの無理だよ…」と弱音を吐くところは見ていて少し辛かったです。

ただ全体的にコメディ色が強いため、メンタルが落ち込んでる時でも楽しめる作品でした。

 

平成史上最悪と言われた総理が、記憶を失くしたことで全くの別人となり政治を徐々に変えていきます。

小学校時代の担任の先生に連絡を取り、政治を一から学ぶ姿は見習いたいと思いました。

また、記憶喪失となり何のしがらみもなくなった黒田総理の姿に、休職中の自分を重ね、また一からやり直せるという元気をもらえました。

 

総理が心を入れ替え(たように見える)、政治の汚職や腐敗と立ち向かう姿は憧れます。(といっても描写はどこまでもコメディで、何度もクスッとさせられました)

これまで総理を馬鹿にしていた人や敵対していた人が、その姿に心を打たれ、力を貸す様子はまさに「仁政」だと言えます。

 

仁政は儒教の用語で、為政者が良い政治を行うことで周囲が付いてくる、という考え方です。

江戸時代の藩政によく用いられたと言います。

 

ただし、現実問題として考えると、複雑すぎる現代社会で「仁政」を行うことは非常に難しいと思いました。

例えば劇中に出てくるK2プロジェクト。

これは、総理の幼馴染が社長を務める建設会社に、不正に発注を行うという、まさしく実際の社会でありそうな話でした。

このプロジェクトを総理はすったもんだの末中止とし、ある種美談として描かれていますが、立場を変えれば美談で済まされない大事です。

 

たしかに不正で不当なプロジェクトでしたが、建設会社の一部門、一担当者からすれば、それは間違いなく自分の売上となるものだったはずです。

それが中止となると、その担当者としては「たまったもんじゃない」というのが実情だと思います。

さらに、工事の下請け会社、そのまた下請け会社のような規模の小さい会社にとっては、会社の存続自体危ぶまれることになり兼ねません。

政治家として正しいことをしたつもりが、別の誰かにとっては多大な損害を被るかもしれない。

 

いわば「あちらを立てればこちらが立たず」といったような状況ですね。

(まあ一番いいのはそんな不正な工事などそもそも計画しないことなのですが)

 

これとある種似たような状況は、このコロナ禍においても見られました。

経済を優先すれば医療が行き詰まり、医療を優先すれば経済が滞る。

どちらの立場も人の生活、生死が関わるため、一概に解決方法を見出せない難しい問題だと思います。

 

この状況で仁政を行うのであれば、まず政治家がすべきは国民と課題認識を共有することではないでしょうか。

先ほども申しました通り、どう手を打っても「あちらを立てればこちらが立たず」なのですから、立たない側にも、政治が優先して解決すべき課題を理解してもらう必要があると思います。

 

コロナ禍では、政府が経済と医療どちらを優先したいのか、イマイチ国民は理解していないと思います。

だから緊急事態宣言が出ていても出歩く人流は減らないのです。

優先して解決すべき課題を国民と共有(経済なのか、医療なのか)、そして「立たない側」には金銭の補償。

結果論でしかありませんが、こんな政治を私たちは望んでいるのかな、と思います。

 

もうすぐ総裁選が始まります。

私はこれまで、恥ずかしながらあまり政治に興味を持ちませんでした。

ただ働き始めて、自分の給料が税金として徴収されると、その使い道を司る政治は、自分たちで考えて選ばなければいけないと考えるようになりました。

 

「記憶にございません!」はとにかく笑って心がほっこりするコメディ作品でしたが、同時に政治についても少しだけ考えさせられました。

 

暴君との付き合い方

暴君とは夫のことです。

夫は普段の言動の8割は優しくユーモアがある常識人なのですが、

残り2割は過激で攻撃的で、人を見下し嘲笑する性格です。

(彼もそのことは自覚していますが、悪いことと思っていないようです。私が何度も「傷つくからやめて」と言っても、傷つく方が悪い/自分を怒らせる方が悪い、のだそうです。)

2割部分のことを私は「暴君」と名付けました。

 

先週の日曜日に喧嘩しました。

原因は夫が今の私(メンタル不調で休職・通院中)にあまり良くないことを言ったことでしたが、その後の私の態度も良くなく、喧嘩が長引いてしまいました。


その後1週間は穏やかに過ごせましたが、喧嘩の影響かワクチンの影響か、はたまた抑うつ状態の症状か、先週1週間はほとんど何もできず、寝込む日々でした。


そして一昨日、日曜日の夜に再び喧嘩してしまいました。

事の発端は、二人でダイエット頑張ろうと私が誘い、夫が私に今の体重を測ってくるよう勧めたことです。

私としては生理前のため絶対に増えていて、ダイエットのモチベが下がるだけなので測りたくありませんでした。

そのため、「いや〜今日測るのはちょっと…」と断ったところ、その断り方が気に食わなかったようです。

それまでは一緒にダイエットに乗り気で、目標達成したらご褒美どうしようか、などと楽しく話していたのですが、断った瞬間暴君モードに突入してしまいました。

 

そのあとは私が何を言っても、私を攻撃する言葉しか返ってきませんでした。

測りたくない理由の説明、一緒に頑張ろうよと説得、代替案の提案、私はこうしたいなと希望を伝え、相手はどうしたかったのか要望をヒアリング…全て無駄でした

「こっちの提案を一度は受け入れろ、いきなりNOは失礼だ」

これが彼の言い分です。


余談ですが、私の視点では、測らないと断った瞬間に夫が臍を曲げ、その後の話は私の揚げ足取りに終始してしまいました。

(私が何を言っても、頭に血が昇ってる、お前は冷静ではない、反射的になんでも拒否する、こっちの話を聞いていない、実家に送り返すぞ等々…)

私は一緒にダイエット頑張りたい、今日測る測らないは別として、数字が減ったらお互い称えて喜び合おうと提案しましたが、

「そんなことに興味はない」

とにべもなく断られました。

つまり夫は私の提案を受け入れずNOを突きつけた訳で、後に彼にそのことを聞くと、

「自分は強いからいい」

のだそうです。(ジャイアニズム…)

「お互い様」「相手視点」「自分がされて嫌なことを人にしない」という言葉は彼の辞書に存在しないようです。

自分ができない(しない)ことを人に堂々と要求し、あまつさえ説教をする姿は、呆れるを通り越して感動してしまいますね。


さて、話は逸れましたが、前述した夫の言い分に暴君の扱い方の全てが詰まっています。

まずはYES、そして次にYES、最後にYES

私のような平民が暴君に許される発言は、YESのみなのです。


これまで私は、相手を対等だと思っていました。

時に自分本位な発言が出てしまい、相手に礼を欠くことがなかったわけではありません。

しかし、あくまで話せば分かる大人ですから、自分の発言の意図を説明し、相手の言い分を理解しようと努めてきました。

それは暴君の前では大変に失礼な振る舞いなのです。

暴君のお言葉に対し、平民が意見を唱えることは許されません。

我々は暴君に対して賛同を示す自由しか与えられていないのです。


暴君は大変にお心が広くあらせられるため、平民が実際に彼の指示に従っているかどうかは気にされません。

日々忙しく過ごされる暴君にとって、平民の行動など考えるに値しない些事なのです。

つまり、一昨日の発言の正解は

「うん、後で測ってくるね」

本当に測ってくるかどうかなど、暴君にとってはどうでもいいことです。

平民如きが、暴君から頂いたお言葉に口を挟むなど、大変な愚行なのです。


今後は平民としての了見を弁え、暴君のお言葉には一も二もなく賛同を示し、恭順を誓おうと思います。

ただ、平民は暴君ほどに心が広くないため、暴君のお言葉に意見があれば心に留め、ここに書けるよう一言一言をしっかり記憶しようと思います。

 

さて、今日も暴君のために夕飯作るか…

【読書感想】結果を出し続ける人が朝やること 後藤勇人

今でこそ不眠に悩み、朝もスッキリせずに寝不足で重たい頭を抱えていますが、

元々の私はかなりの朝型人間でした。

中学生の時に朝活を推奨する本を読んだことがきっかけとなり、中学・高校時代は4~5時台に起きる生活でした。

大学生になると生活リズムは見事に崩れましたが、社会人になってからも朝は大抵6時起き、勉強や運動を頑張っていた時期は5時に起きていました。

振り返ってみると、自分の調子が良い時は朝の時間を上手く使えていたことに気づき、

今はまた元の早起き生活に戻りたいと思っています。

 

さて、本書では様々なビジネスパーソンが朝の時間にやっているルーティンやマインドセットが紹介されています。

その中でいくつか実践まで落とし込みたい内容について、朝どんな時間にやるかを併せて以下に整理したいと思います。

(どんな時間にやるか、は私のオリジナルのため本書で言及されていないものもあります。)

 

起床直後:ベッドの中で3年後の理想の自分をイメージする

朝起きた直後から動き始めるのは身体に負担がかかるため、本書ではまず起きたらベッドの中で瞑想することが推奨されています。

「朝に瞑想なんてしたらそのまま二度寝しちゃいそう…」と思いましたが、ここでは3年後の理想の自分、成功した自分をイメージするのだそうです。

その時にどんな気持ちかを想像して、ワクワクした気持ちでベッドから起き上がれそうです。

 

歯磨きしながら:理想の自分像を10個書き、毎日眺める

ベッドの中でイメージした理想の自分について、それはどんな自分かを紙に書き、それを毎日繰り返し見ることが大事だと言います。

目標は立てただけではダメで、毎日繰り返し見て認識することが大事だとよく言われますよね。

実際、私は高校生の時に手帳の表紙に「(志望校)に絶対合格する!」と書き、よく見ていました。

今の私は何を目標に立てればいいのか、パッとは思いつきません。

元々あまり自己成長には興味がない人間なので当たり前っちゃ当たり前ですが、

毎日楽しく、あまり不安を感じずに生きていけたらいいなぁとは思います。

 

着替え中:自分のテーマソングを聞く

イメージとしてはスポーツ選手の入場曲だと本書では紹介されています。

著者の後藤さんはいくつかテーマソングを用意して、その日のテンションや用事によって使い分けているのだそう。

私がテーマソングにするとしたら何がいいかな…

例えば、高橋優さんの「現実という名の怪物と戦う者たち」は学生の頃から好きでよく聞いています。

普段から聴く曲は、元気が出る曲というよりはバラードっぽかったり、しっとりした曲が多いので、朝のテーマソングには向かなさそうです。

そもそも最近曲自体聞かなくなってしまいました。以前はどこ出かけるにもイヤフォン必須だったのに…

 

移動中:セミナー音声を聞く

乗り物酔いがひどい私は電車の中で本を読むと吐いてしまうことがあるので、

こっち(耳)の方が良さそうだな、と思いました。

セミナーとはちょっと違いますが、Voicyという音声配信アプリであれば、日経の解説だったりいろんな人の配信を聞くことができるので試してみようかな、と思います。

 

話は若干逸れますが、オーディオブックってどうなんでしょうか。

Kindleのヘビーユーザーなのですが、時々買おうとした本がAudibleで無料になっているのを見かけます。

私は耳で聞くだけじゃ忘れちゃいそうだと思い、あまり登録を考えたことはありませんが、

Voicyで耳が慣れて、「お、意外と聞けるし覚えてるぞ」となったら検討の余地があるかもしれません。

 

作業前:その日の目標を3つだけ決めてノートに書く

作業前と書いてますが、要は仕事前ですね。

具体的に仕事をするイメージを持つのがまだ怖いので、こんな書き方をしています。

日々「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と漠然とタスクを積み上げていると、結局何をしなきゃいけないのか分からなくなり、何もできなかった…と落ち込むことが多かったです。

3つであればすぐに達成できそうですし、まあ仕事のうちでその日に絶対やらなきゃいけないことなんて大体3つもないだろうな、とも思います。

特にここでは言及されていませんでしたが、プライベート:3つ、仕事:3つという風にそれぞれで設定しておけば、家事とも両立が図れそうだと思いました。

今のうちから、毎日3つ目標を決めて、それを実行していく習慣を付けていきたいです。

 

作業前:やらないこと(人に任せること)のリストアップをしておく

これができていれば、私は休職するまで自分で自分を追い込むこともなかったのかな、と思います。

やることのリストアップはしていましたが、「やらないことを決めておく」というのはやったことがありません。

仕事でも家事でも、全てを抱えるのではなく「これはもうやりません。お願いします」と言えるようにならないといけないですね。

 

先日読んだ『人生を変える最強の英語習慣』の三浦さんも、『読書は「アウトプット」が99%』の藤井さんも早起き生活をされていて、

大人になってからも学習を続けていたり、事業を起こしているような人たちは、やっぱり朝型が多いのかな〜と思いました。

今の私は朝起きれてもスマホをダラダラ触ってしまい、あまり有意義に時間を使えていません。

まずは明日の朝、ベッドの中で上手くいっている自分をイメージすることから始めていきたいと思います。

【読書感想】人生の教養が身につく名言集 出口治明

出口さんはライフネット生命の創業者にして、現在立命館アジア太平洋大学の学長を務められている方です。

この本はそんな出口さんが人生を送る上で重要と考える名言を紹介しています。

以前似たような本で『100年後まで残したい 日本人のすごい名言』(齋藤孝)を読んだことがあります。

齋藤先生はその名言について「どのような人物が、どのような状況/背景を持って残した言葉か」にスポットを当てて紹介されているのに対し、

出口さんは「その名言を基に自身の生き方、考え方を振り返る」といった内容が多い気がします。

私はこの本で紹介されている名言よりも、「出口治明」という人物の考え方や人柄にとても興味を持ちました。

 

出口さんのすごいところ①:歴史を知れば失敗は怖くない

出口さんは大変読書家で、特に歴史の本を好んで読まれるのだそう。

そんな中で、出口さんが見つけたことが、「人の企てはほとんどが成就しない」ことだといいます。

出口さんは会社員時代、出世争いに敗れいわゆる左遷された経験があるそうですが、「世の中のサラリーマン全体で言えば、左遷されたことがない人の方が少数派だ」として全く落ち込まず、周囲の人を驚かせたそうです。

この「上手くいかなくても世の中の多数派になるだけ」という考え方ってすごく勇気をもらえますよね。

 

歴史上の人物、特に偉人とされるような人物って自分の本懐を遂げて大成功しているように見えますが、一人一人見ていくと意外とみんな失敗してたり挫折してるんですよね。

例えば、今年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の前半生ってかなり紆余曲折していて、今の若い世代に重なるところも多いんじゃないかと思います。

  • 流行にのって(?)攘夷活動を志す
  • 攘夷志士として活動したかったのに、縁あって一橋家家臣となる
  • 一橋家当主・慶喜に心酔、かつての攘夷仲間からは裏切り者扱い
  • たまたま割り当てられた勘定役が大ハマり、財布担当としてフランス視察にも同行
  • フランス視察で株式会社のヒントを得るも、日本では大政奉還が起こり、勤め先(幕府)がなくなる

こうしてみると、後に「日本経済の父」と呼ばれるような彼でさえも、一組織人として社会情勢に翻弄され、身の振り方で悩んでいたんだな〜というのが分かりますね。

 

出口さんのすごいところ②:めちゃくちゃ謙虚

出口さんが海外支社で勤務されていた時、外国籍の部下に他社動向をまとめた資料を作るよう指示したところ、なぜそれが必要か問われ、これまで慣習的に本来必要のない資料を作っていたことに気がついたそうです。

ここですごいな〜と思うのが、「いいから作りなさい」と部下を一喝したり、「まあ、ずっと作ってるし、そういうものだから」と理由を誤魔化したりせず、

「そういえばなぜ作っているのだろう。考えてみれば不要だな」と考えを柔軟に改められるところです。

私は今ですら少々頑固なところがあるので、例えば今後、部下を抱えるような立場になったり人を指導する役割になった時、こんな風に素直に考えを改められると思えませんでした。

出口さんは「自分の前提を疑ってみるのが大切」だと述べています。

 

また、別の章では若い人の意見を参考にし、見習うべきともおっしゃっています。

出口さんは、若い人たちはデジタル機器を「まるで自分の体の一部のようにスイスイ使いこなす」と感心されています。

若い世代というのは、どうしても上の世代から「近頃の若者は〜」と苦言を呈されがちです。

これは時代を問わず繰り返されているようで、

「かつては自分が苦言を呈される若者側だったのに、気がついたら自分も『近頃の若い人って〜』という考えになってしまっていた」

なんて発言をTwitterで見たことがあります。

人は年齢を重ねるごとに、自分の培ってきたものを信じたくなり、一方で新しいものへの抵抗感が増すのかもしれません。

出口さんのように柔軟で謙虚な姿勢を、いつまでも保ちたいものです。

 

出口さんのすごいところ③:旅好き

出口さんはかなり旅がお好きなようで、会社員時代も年に2回は1~2週間の休みを取って旅行に出かけていた、と言います。

(休みを取るために、キッシンジャーの言葉を借りて上司を説得するのが出口さんらしくて面白いと思いました。)

出口さんの旅行で一風変わっているのが宿泊先です。

出口さんほどの方であれば高級ホテルに泊まり、ラグジュアリーな空間(?)で日々の疲れを癒すのかと思いきや、

現地では高級ホテルから若者をターゲットとした安宿まで、様々なグレードの宿に泊まってみるのだと言います。

私も学生時代は旅行によく出かけていて、安いゲストハウスをよく利用していたので、その楽しさや魅力は分かります。

しかし社会人になってからは、普通のシティホテルだったりちょっと奮発してお高めのホテルに泊まってみたり、ゲストハウスを利用することはなくなってしまいました。

「まあ、社会人だしこんなもんだよね。あれは学生特有の楽しみ方」と、ある種勝手に決めつけていたのですが、やはり出口さんの考え方は柔軟ですね。

旅ではまず、高級ホテルに泊まってみるそうです。

「え、泊まる場所のグレードは下げていくより上げていった方が楽しそうじゃない?」なんて思いましたが、高級ホテルでアメニティーを貰っておくことで、後の安宿に泊まる時に便利だと言います。

出口さんは「少々セコい話ですが…」と書かれておりますが、なんだかお茶目で可愛らしい印象を持ちました。

 

出口さんのすごいところ④:仕事なんて人生の3割

出口さんは60歳を過ぎてからライフネット生命を創業されており、なんてバイタリティー溢れる方なんだ…!と思いましたが、どうも仕事人間というわけでは無いようです。

出口さんは人が生まれてから死ぬまで過ごす時間のうち、仕事は3割程度しかないと言います。

私なんかはその3割にメンタルをやられてしまったわけで、なんとも情けない気持ちになります。

要は捉え方が大事という話で、「人生全体から見ればどうだっていいこと」と受け流せるようになりたいと思いました。

出口さんは「仕事は人生の3割でしかないが、真剣にやらなくていいわけではない」と言います。

むしろ、どうでもいいことだからこそ、失敗なんて気にせずにやりたいと思ったことをやればいい、失敗してもどうせ多数派なんだし、と語っております。

 

私はこの本を通じて初めて出口さんという方を知りましたが、

本を読みながら、出口さんに「大丈夫、大丈夫」と背中を押されているような、そんな気持ちになりました。

日記(8/30〜9/4)

8月30日

家から10分くらい歩いたところにある図書館に行ってみる。
コロナ対策で座席数を減らしているらしい。
利用登録しようとしたが、面倒だったのでパス。
3冊本を読んだところで疲れて帰宅。
帰宅後は夕飯の準備と明日のお弁当作り(旦那の分)。
ご飯作ってる時が一番楽しい。

8月31日

昼過ぎまでやる気が起きずにソファで寝る。
お昼ご飯を食べてから、昨日とは別の図書館へ。
徒歩圏内に2ヶ所図書館があるのはありがたい。
2冊程度読んだところで夕方になり帰宅。
ここでも利用登録はしなかった。
帰宅後は疲れて何もする気が起きない。

9月1日

午前3時過ぎから寝られず、諦めて5時半から散歩に出かける。
30分程度散歩して帰宅。
Prime Readingの本を読む日にしようと思い、朝ごはんを食べながら気になる本を8冊ほどダウンロードする。
「買うのはどうかな…」と思う本を読むことができるのがいいと思った。
午前中に2冊読み、洗濯をしてブログに読書感想をまとめる。
昼過ぎに出かけてGEOで天穂のサクナヒメを中古で購入。
駅前のカフェで2冊読み帰宅。
夕飯のペペロンチーノはニンニクを少し焦がしてしょっぱかった。

9月2日

雨が降っていたので朝散歩はなし。
天気が悪いせいか、今週で一番気分が滅入っている。
家にいるとさらに塞ぎ込みそうなので図書館へ向かう。
トータルで8冊読んだ。
気になっていた本が置いて合ったので、利用登録して借りてきた。
高い本だったので、タダで読めるのはありがたい。

9月3日

近所に住む弟が遊びに来たので、夫と3人でスマブラ桃鉄で遊んだ。
夕飯はカレーとポテサラを振る舞った。
弟がモンハンを買ったというので、3人でまた遊ぶ約束をする。
1日を通して気分は安定していたが、夜は寝付けず。
寝るのを諦めて本を読んだ。

9月4日

母を誘って夕方に岩盤浴に行く。
昨日は気分が良かったので私から誘ったが、今日はすこぶる気分が落ち込む。
いつもなら少し早めに家を出て、近くのカフェで本を読んだりするのに、
今日は出かけるまでソファから動けなかった。
家族と話すのは楽しいので、帰りは気分が良かったが
「せっかくの休みの日に私に付き合わせてしまって申し訳ない…」と罪悪感が生じる。
流石に意味不明で、ちょっと笑う余裕ができた。

【読書感想】まんがで身につく アドラー 明日を変える心理学 著者:鈴木義也 まんが:緒方京子

アドラー心理学って一時期流行りましたよね。

私はアドラー心理学を勉強したことがないのですが、夫が一時期アドラーにハマり、「すごく勉強になるよ!」と勧めていたので、この機会に触れてみることにしました。

漫画だったので読書の合間に気分転換として読むことができました。

 

本書は様々な立場で異なる悩みを抱えた人が登場します。どの人も、「あ〜このキャラクターは自分と似ている…」と感じる登場人物がいるのではないでしょうか。

私はうつ病で休職している人物が働いている人を見て「自分は戻れるのだろうか…」と考え込んでしまうシーンに、「わかるわかる…!」と共感してしまいました。

そんな登場人物たちがとあるカフェを訪れ、マスターからアドラー心理学に基づいたアドバイスを貰う、というストーリーでアドラー心理学の考え方や用語が紹介されます。

 

優越感と劣等感は実は同じこと

一見真逆に思えるこの感情は、実はどちらも相対評価の中で生じるという意味で同じことだとアドラー心理学では考えます。

大事なことは、比べることから抜け出し、比べなくても価値ある自分に気づくこと。

これは昨今流行語のようにもなっている「自己肯定感」と繋がっているような気がします。

私自身、自己肯定感を持てていないと常日頃から感じていました。

そして自己肯定感を持つためには、何か人生に意味を持ったり、自分の評価軸を決める必要があると思っていました。

でもそれも結局は相対評価なのかもしれません。

ここで言う「比べなくても価値ある自分」とは、「自分が自分であることに満足すること」なのかな、と思いました。

そんな風に思えたら苦労しないよ…とは思うものの、こんな風に満足できればひょっとしたら人生って楽しいのかもしれないですね。

 

自然の結末

アドラー心理学では行動の結果を自ら体験し学ぶことも大事だと言います。

これはまさに、今の私の状況です。

傍目から見た私のメンタル不調具合は相当なものだったようで、夫からは口酸っぱく休職するよう言われ続けました。

でも結局、自分で納得するまで(というか自分で限界だと感じるまで)私は行動しませんでした。

そのことについて、時々夫から「自分の言うことを聞いて、もっと早く休んでおけば良かったのに」と責められますが、私は無意識的にこの「自然の結末」に辿り着きたかったのかもしれません。(夫には迷惑をかけてしまったので、そこは償っていかないとですけどね。)

起き上がれなかったり、会社用の端末を触ると吐き気を感じたり、正直散々でしたが、それでもメンタル絶不調を身を以て知ることができました。

次からはもっと早くに気づき、休むことができると思います。(次なんてあったら嫌ですが。)

 

Iメッセージ

これは先日夫と口喧嘩した際に、意図せず私が言っていたことでした。

「〇〇(夫)は『あなたは〜すべき』ばかりで、自分がどうしたいのか、どう思っているのか全く分からない。そんな上からの押し付けは聞く気になれない。私への要求の先には自分の気持ちがあるはず。人に要求する前に、まずは自分がどう感じて、どう思っているのか、自分を主語にして話して」

私自身も、「(あなたが)あれやって、これやって」と言うのではなく、「(私は)こうしてくれたら嬉しい」と言うように伝え方を工夫しないと、と改めて思いました。

 

不完全である勇気

これは難しいな〜と感じます。

自分は完璧主義ではないつもりですが、それでも失敗は怖いし、準備が万全でないなら挑戦を避けてしまうこともあるし、少しダメだと「あ〜もう終わりだ!」と悲観的になってしまいます。

今の状況も、ちょっと前までは「休職するなんてもうお終いだ!」とかなり悲観的でした。

ただ、これまでの人生を振り返って、「あれは準備も抜けてたし、不完全だったけど勇気を持って挑戦したな…」と感じる場面を挙げていくことならできるかもしれません。

そうして、「あれ、自分意外と挑戦できるな」と考え方を変えてみる、と言うアプローチ方法はアリなのではないでしょうか。

例えばこのブログだってそうです。

思えば学生の頃からブログ書きたいな〜文章書きたいな〜と思っていましたが、その時はアフィリエイトでお小遣い稼ぎを目的としていて、「それならテーマも一貫性を持たせて、人に見てもらえるよう工夫して…」なんて考えて、一度も書いたことはありませんでした。

今はこんな風に考えたことをダラダラ書き連ねて、当時思い描いていたような「人に見てもらえるもの」とは程遠い代物です。

それでも今書いている。これも不完全さを許容した挑戦と言えるのではないでしょうか。

大丈夫。自分、意外と挑戦できてるよ。

 

最後になりますが、アドラー心理学に軽く触れてみて、自分が今本を読み漁っている理由が分かった気がしました。

それは自分の人生に、様々な観点から意味付けを行いたいから、だと思っています。

アドラー「自分の運命は自分自身が握っている」と言います。

つまり、自分の人生をどんな風に捉えるかは自分次第、と言うことなんですね。

私はこれまで、「仕事は嫌なもの、我慢して当たり前」だとか「この程度我慢できなきゃこの先何もできない」と信じ込み、結果メンタルが絶不調に陥りました。

そんな凝り固まった視野を広げるため、いろんな本を読んでいるのかもしれません。

ここで大事なのは、「この人もこう言ってる、あの人もこう言ってる。だから私の判断は正しい!」なんて正しさを確認するのではなく、「自分はこれでいいんだ」と自然と自分に対して納得・満足できることかな、と思いました。

【読書感想】なるべく働きたくない人のためのお金の話 大原扁理

大原さんは自分の理想の生活のため、なるべく生活コストを切り詰めて、週2日のアルバイトで必要最低限の生計を立てている、という方です。

本書の冒頭に大原さんの1日のスケジュールが紹介されていますが、悠々自適で羨ましい限りです。

生活スタイルには簡素ながら独特の美意識が感じられ、「現代の鴨長明なの?」と思いました。

本書では大原さんが(彼自身曰く)隠居生活をすることになった経緯や、隠居生活で感じたことをお金の観点で述べられています。

中でも気になったフレーズは「何かをしないことで得られる満足」「人生の正しさを持ち込まない」の2つです。

 

何かをしないことで得られる満足

大原さんは隠居生活に移る前はアルバイトを複数掛け持ちし、都心の高い家賃を苦心しながら払い続ける生活だったと言います。

その当時の月収から、ワーキングプアだったと言えるでしょう。

忙しい時には「この生活じゃ、時間がないしやりたいことが出来なくてイヤ!」と感じていたとのことですが、いざ隠居生活を開始して時間ができるとやりたいことがないことに気がついた、と言います。

それでも隠居生活に満足していた大原さんは「やりたくないことをしなきゃいけない生活がイヤだったんだ」と気づきます。

この件は私も「わかるわかる」と何度も頷きそうになりました。

仕事でメンタルを崩してしまったのも、「やりたくないことをしなきゃいけない」日々が続いたからだと思います。

もっと正確に言えば「やりたくない(と自分で決めつけている)ことをしなきゃいけない(と自分で縛り付けている)」かもしれません。

大原さんが仕事全般が絶対にやりたくない訳ではない、と語っているように、私も仕事が絶対にイヤな訳ではないんだと思います。

大原さんは「イヤなこと・やりたくないことをリストアップしてみる」ことを勧められています。

私も「何かをしない満足」を目指して、イヤなことは何か改めて考えてみようと思いました。

 

人生の正しさを持ち込まない

これはドキッとする内容でした。

ついつい自分のキャリアや人生を考える時に、「これであってるのか、正しいのか」と考えてしまいます。

直近で言えば、「休職してしまったが、これで本当によかったのだろうか、何か意義あるものにしなければ」と考えていました。

確かに、「それで合ってるよ」と思えたり、「この経験には意味があったんだ」と感じられると安心しますよね。

しかし、大原さんは正しさとは相対的なものであり、「自分は正しい」と安心するためには間違っているものと比べなければいけない、と言います。

さらに、間違っている何かを常に探し続けることはしんどい、と言います。

例えば、大原さんは自身の生活を肯定するためには一生懸命働いている人を「間違っている」と言わなければなりません。

でもそれって間違いではないはずです。

このように、自分の生き方に正しさや意味を持ち込むと、それは終わりなき「間違い」探しの旅になってしまい、結果として自分を苦しめてしまう…

そうではなくて、自分が人生に満足しているかどうかが重要だと思いました。

 

SNSで他人の生活や考えが嫌でも目につく現代で、自分の満足だけを追求して生きるのはなかなか難しいと感じました。

じゃあSNSを一切見なければいいかというと、それはそれで勿体無いとも思いますし…

だからこそ自分の考えをこうして文章に残しておくことは、頭の中を棚卸して、自分の価値観を客観視できる方法なのかもしれないな〜と思いました。

 

最後に、大原さんは週2日介護のアルバイトの他、知人から頼まれた作曲や翻訳、執筆などもすることがある、と述べておりました。

また台湾に移ってからはトラベルライターとして収入を得ているそうです。

なんたる多才ぶり…! そんな方が一アルバイトとして日々摩耗していたなんて勿体無い…! と思いましたが、やはり時間のない生活においては、彼のそんな才能が発揮されることもなかったということなのかな、と思いました。

本書終盤で、大原さんはお金を擬人化して遊んでみようと語ります。

なんとも童話的で牧歌的な発想ですが、このくらい精神的なゆとりを保ちたい、と思いました。