【映画感想】屍人荘の殺人
私はミステリーが好きです。
小学生の頃、初めてハマった小説がはやみねかおる先生の「夢水清志郎シリーズ」だったからか、いまでも小説・ドラマ・映画・アニメと媒体を問わず、一番大好きなジャンルです。
そして神木隆之介くんも大好きです。
神木くん×ミステリーな本作は、そんな私のツボをがっつり抑えていました。
以下、ネタバレ含む感想です。
変人探偵な明智さん(中村倫也)とそれに振り回されるポンコツ助手な葉室くん(神木隆之介)、そんな二人を事件の舞台に招待する美少女探偵の剣崎さん(浜辺美波)
舞台となるのは湖畔のペンション。夏休みの大学生サークルが合宿に来るが、合宿前の彼らの元に脅迫状が届き--。
冒頭のこの設定だけでも、ミステリーファンの私は大興奮です。
ペンションに集まった学生たちも不穏で、ペンションの持ち主のOBに彼らは頭が上がらず、OBたちは女子学生にセクハラを繰り返す有様……
この中の誰かがペンションで殺されるのか……! と思い、ワクワクしながら見ていると、場面は変わってペンション近くのフェス会場に。
彼らのサークルはフェス研究会(そんなのあるの?)。このロックフェスに参加するためにペンションに泊まっているのです。
てっきり私はペンションの立地を「人里離れた山奥、陸の孤島」のようなところと思っていたので、「あれ、意外と開けたところにあるじゃん」と思いました。
しかしフェス会場に突然ゾンビが現れ、会場は大混乱。
注射器を持った怪しい男たちが、フェス参加者に注射をしていくカットがあったため、「細菌テロ的な話もあるのかな」と思いましたが、まさかのゾンビ!
これには意表を突かれ、「え、待ってそういう系?」と笑ってしまいました。
ゾンビから何とか逃げたフェス研究会の一行はペンションに辿り着き、ゾンビから身を守るため籠城を決めます。
しかしペンションの密室で、一行は一人また一人と殺されていく……。
ペンションの外はゾンビに囲まれていて、侵入者の存在は考えられない。ペンションの中に殺人鬼がいる。一体誰が、何のためにーー。
ゾンビが出てきたときは度肝を抜かれましたが、その後の展開はまさに本格ミステリーといった感じでした。
クローズドサークルをゾンビを使って演出する発想が見事です。
また、ゾンビをただの背景にせず、しっかりトリックに組み込むあたりも面白かったです。
本作ではゾンビの発生原因は言及されていません。原作ではその辺りも触れられているようなので、今度は原作も読んでみようかと思います。
私は本作を見て、ゾンビはただの舞台装置、トリックの小道具に過ぎないと思ったのですが、硬派なミステリーを期待する人や逆にミステリーを知らない人にとっては、「何でゾンビ!?」とびっくりしてしまうだろうなぁ、と思います。