スイカ食べたい日記

本・映画の感想、適応障害の経過、暴君な夫との日常

【読書感想】まんがで身につく アドラー 明日を変える心理学 著者:鈴木義也 まんが:緒方京子

アドラー心理学って一時期流行りましたよね。

私はアドラー心理学を勉強したことがないのですが、夫が一時期アドラーにハマり、「すごく勉強になるよ!」と勧めていたので、この機会に触れてみることにしました。

漫画だったので読書の合間に気分転換として読むことができました。

 

本書は様々な立場で異なる悩みを抱えた人が登場します。どの人も、「あ〜このキャラクターは自分と似ている…」と感じる登場人物がいるのではないでしょうか。

私はうつ病で休職している人物が働いている人を見て「自分は戻れるのだろうか…」と考え込んでしまうシーンに、「わかるわかる…!」と共感してしまいました。

そんな登場人物たちがとあるカフェを訪れ、マスターからアドラー心理学に基づいたアドバイスを貰う、というストーリーでアドラー心理学の考え方や用語が紹介されます。

 

優越感と劣等感は実は同じこと

一見真逆に思えるこの感情は、実はどちらも相対評価の中で生じるという意味で同じことだとアドラー心理学では考えます。

大事なことは、比べることから抜け出し、比べなくても価値ある自分に気づくこと。

これは昨今流行語のようにもなっている「自己肯定感」と繋がっているような気がします。

私自身、自己肯定感を持てていないと常日頃から感じていました。

そして自己肯定感を持つためには、何か人生に意味を持ったり、自分の評価軸を決める必要があると思っていました。

でもそれも結局は相対評価なのかもしれません。

ここで言う「比べなくても価値ある自分」とは、「自分が自分であることに満足すること」なのかな、と思いました。

そんな風に思えたら苦労しないよ…とは思うものの、こんな風に満足できればひょっとしたら人生って楽しいのかもしれないですね。

 

自然の結末

アドラー心理学では行動の結果を自ら体験し学ぶことも大事だと言います。

これはまさに、今の私の状況です。

傍目から見た私のメンタル不調具合は相当なものだったようで、夫からは口酸っぱく休職するよう言われ続けました。

でも結局、自分で納得するまで(というか自分で限界だと感じるまで)私は行動しませんでした。

そのことについて、時々夫から「自分の言うことを聞いて、もっと早く休んでおけば良かったのに」と責められますが、私は無意識的にこの「自然の結末」に辿り着きたかったのかもしれません。(夫には迷惑をかけてしまったので、そこは償っていかないとですけどね。)

起き上がれなかったり、会社用の端末を触ると吐き気を感じたり、正直散々でしたが、それでもメンタル絶不調を身を以て知ることができました。

次からはもっと早くに気づき、休むことができると思います。(次なんてあったら嫌ですが。)

 

Iメッセージ

これは先日夫と口喧嘩した際に、意図せず私が言っていたことでした。

「〇〇(夫)は『あなたは〜すべき』ばかりで、自分がどうしたいのか、どう思っているのか全く分からない。そんな上からの押し付けは聞く気になれない。私への要求の先には自分の気持ちがあるはず。人に要求する前に、まずは自分がどう感じて、どう思っているのか、自分を主語にして話して」

私自身も、「(あなたが)あれやって、これやって」と言うのではなく、「(私は)こうしてくれたら嬉しい」と言うように伝え方を工夫しないと、と改めて思いました。

 

不完全である勇気

これは難しいな〜と感じます。

自分は完璧主義ではないつもりですが、それでも失敗は怖いし、準備が万全でないなら挑戦を避けてしまうこともあるし、少しダメだと「あ〜もう終わりだ!」と悲観的になってしまいます。

今の状況も、ちょっと前までは「休職するなんてもうお終いだ!」とかなり悲観的でした。

ただ、これまでの人生を振り返って、「あれは準備も抜けてたし、不完全だったけど勇気を持って挑戦したな…」と感じる場面を挙げていくことならできるかもしれません。

そうして、「あれ、自分意外と挑戦できるな」と考え方を変えてみる、と言うアプローチ方法はアリなのではないでしょうか。

例えばこのブログだってそうです。

思えば学生の頃からブログ書きたいな〜文章書きたいな〜と思っていましたが、その時はアフィリエイトでお小遣い稼ぎを目的としていて、「それならテーマも一貫性を持たせて、人に見てもらえるよう工夫して…」なんて考えて、一度も書いたことはありませんでした。

今はこんな風に考えたことをダラダラ書き連ねて、当時思い描いていたような「人に見てもらえるもの」とは程遠い代物です。

それでも今書いている。これも不完全さを許容した挑戦と言えるのではないでしょうか。

大丈夫。自分、意外と挑戦できてるよ。

 

最後になりますが、アドラー心理学に軽く触れてみて、自分が今本を読み漁っている理由が分かった気がしました。

それは自分の人生に、様々な観点から意味付けを行いたいから、だと思っています。

アドラー「自分の運命は自分自身が握っている」と言います。

つまり、自分の人生をどんな風に捉えるかは自分次第、と言うことなんですね。

私はこれまで、「仕事は嫌なもの、我慢して当たり前」だとか「この程度我慢できなきゃこの先何もできない」と信じ込み、結果メンタルが絶不調に陥りました。

そんな凝り固まった視野を広げるため、いろんな本を読んでいるのかもしれません。

ここで大事なのは、「この人もこう言ってる、あの人もこう言ってる。だから私の判断は正しい!」なんて正しさを確認するのではなく、「自分はこれでいいんだ」と自然と自分に対して納得・満足できることかな、と思いました。