【読書感想】読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 藤井孝一
読書術・勉強術の本は好きなのでよく読みます。
ただ、これまで読んだ本はどちらかと言うと「どのようにインプットするか」を紹介したものが多く、アウトプットを重視した本は読んだことがないなと思い、本書を手に取りました。
特段珍しい内容はありませんでしたが、「やっぱりこれが大事なんだよな〜」ということを改めて振り返ることができました。
アウトプットの基本は「話す・書く・行動する」
この中で言えば、行動することが一番できていないな〜と感じています。
本を読み、「ふむふむ、なるほど!」と思ったことを夫に話したり、こうしてブログに書くことはありますが、実際に行動に移したことがどれほどあるかというと、正直思い当たるものがありません。
ただ、それは『人生を変える最強の英語習慣』にもあったように、行動するハードルが高すぎたためかもしれません。
本を読み、何か取り入れたいと思った内容については、自分が超えられる程度の低いハードルをまずは設定してみようと思いました。
また、アウトプットする上で大切なこととして、「自分の意見を加えること」を藤井さんは挙げています。
私は最近読書メモをつけるようになりましたが、本の中で気に入った・参考になったフレーズと一緒に、自分はどう考えたか、どう思ったかを書き加えるようにしています。
そうすることで、後から振り返ったときに思い出しやすいメモになりますし、自分の意見を持つ練習にもなりますね。
何かに使えないか、という視点で本を読む
これについては、私は本を読む際無意識的に実践していました。
私は元々小説を読むのが好きで、登場人物に感情移入すること、言い換えれば自分の身に置き換えて文章を読むことに慣れていたのだと思います。
先日読んだ『英語習慣』では、英語学習を自分の仕事や今の状況に置き換えて読むことで、自分にとって役に立つな〜と思う情報を得ることができました。
一時期私は意識高いブームに当てられて、「フィクションなんて読んでも意味がないのでは?」などと考えていたこともありました。
けれど、小説を読んできた経験は思わぬ形で役に立っているようで、少し嬉しいです。
また、藤井さんは「本に書いてあることの1割でも実践できれば上出来」と述べております。
正直1割もできる気がしませんが、本を読みながら何か一つでも実践できることはないか、取り入れられることはないか、という視点で読んでみようと思いました。
本を使い倒す
本に書き込みを行ったり、気になった一部しか読まないといったことは、読書術の本では必ずといっていいほど紹介される手法です。
おそらく世の中の読書家の人は、こうして本を道具として使っている人が多いと思います。
私も理屈ではそうすることの意義を理解しているつもりですが、実際にはできていません。
例えば本の書き込み。元々小説ばかり読んでいたということもあり、本を折ったり書き込んだりすることに抵抗があります。
高校時代に毎月お小遣いをやりくりしながら欲しい本を少しずつ買っていた経験からか、なんとなく本を大事にしようという気持ちが捨てられません。
また、たくさん本を買って、自分に合わないと思ったら即別の本を読もうといったこともなかなかできません。
社会人になりお金があるはずなのに、いまだに1,000円を越える本を買うときはドキドキします。染み付いた貧乏性というのは厄介ですね。
ただ、後者については図書館の活用やAmazon Prime Readingを利用することで実現できそうです。
お金を出して買った本は、どうしても「お金を出したのだから」と腰を据えて読もうとしがちですが、タダで利用できるのであれば、つまみ食いのような読み方をすることに抵抗はあまりありません。
Kindle Unlimitedも興味はありますが、今のところはPrime Readingでいいかな〜と感じています。
もう少しこの「つまみ食い読み」に慣れてきたら加入するかもしれませんが、電子書籍は「つまみ食い読み」に向いていないような気もしています。
やっぱり紙でパラパラ〜ってめくる、あの手触りが好きだな〜と思います。
アウトプットの手法について
その1:読書メモをつける
私もごく簡単にではありますが、読書メモをつけています。
スマホのメモ帳にフレーズと感想を記入したり、ノートにキーワードを書いたり、特に使い分けはしておらず、気分だったり読んでいる環境だったりで方法を変えています。
その2:書評を書いてみる
ここでいいなと思ったのは、藤井さんが挙げている書評を書く際のポイントです。
まずはその本に何が書いてあったか、要点を抑えること。
そしてそこから何を学んだか、ここは自分の経験や考えが反映されるところかと思います。前述した自分の意見を加えること、に近いのかなと思いました。
最後にそれをどう活かすか。自分の行動や生活にどう反映させるか、そこまで落とし込まないと本を読んでも意味がない、そんな藤井さんからのメッセージを感じました。
実際に書評を書くかどうかは置いておいて、これは本を読みながら使える観点だなと思います。
その3:読書会に参加・主催してみる
読書会というものに一度も参加したことがないのですが、最近改めて本を読むようになったことでかなり興味を持っています。
特に藤井さんが主催されていたという課題図書を設けない緩い読書会は、自分も参加してみたいなと思いました。
その読書会では各自持ってきた本を読み、互いに紹介し合うといった形式で運営されていたようで、自分では全く読もうとも思わなかった本と出会える良い機会だなと思いました。
読書専用のTwitterアカウントでも作って、そこで見ず知らずの人と交流するのもいいな、と思いました。
その4:著者に会ってみる
この発想は正直ありませんでした。
小さい頃から、本の作者は神様のような存在で、私とは違う次元で本を書き、それを届けてくださるようなイメージを持っていました。
でもよくよく考えれば、本の作者だって同じ人間なんですよね。
藤井さんは気に入った著者がいればその講演会に参加したり、Twitterのアカウントをフォローするなどで感想を伝えてみようと勧められています。
本を書いた人に直接感想を伝えようと思うと、本を読む姿勢も若干気合いが入るような気がします。書いた人に向かって、あまり変なことは言えませんものね。
また、最近では著者がメールアドレスを公開していることもあり、メールで本の感想を伝えてみることも勧められています。
メールであればあまり気負わず送ることができそうだなと思いました。
最後に、本書の後半で紹介されていたエピソードで、印象に残ったものを書いておきます。
ファーストクラスのCAさんのお話で、ファーストクラスの乗客はほとんどが読書家で、フライト中はずっと本を読んでいるのだそう。
そして読んだ本を「これはきっと君にも役に立つから読んでみるといいよ」といってCAさんに手渡す人もいるそうです。
これはビジネスマンほど読書をしていて、なおかつ常にアウトプットも意識している例として挙げられたエピソードですが、なんだかすごくゆとりある大人といった感じで、カッコいいと思いました。
いつかはそんな、ゆとりあるカッコいい人間になりたいものです。