世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方①
やりたいことの見つけ方について、著者・八木さんは以下の公式を用いて説明しています。
好きなこと×得意なこと×大事なこと
この3つが重なり合ったところに、自分が本当にやりたいことがあるそうです。
さらには、これら3つの要素の見つける順番が大事とのこと
本書では、大事なこと→得意なこと→好きなこと
の順に、それぞれ見つけていくためのワークや八木さんご自身の解答例が示されています。
大事なことを見つける
これは価値観という言い換えもされており、自分が生きていく上で何が大事だと思うかを言語化します。
ワークの一部と、自分の答えを整理したいと思います。
1. 尊敬する人は誰か、どんなところを尊敬しているのか
田中正造さん
→大正時代に自分の命をかけて住民のために行動したところに、小学生の私は非常に感銘を受けました。
彼が生きた当時は、きっといまよりも個人の幸福なんてものは後回しにされていただろうし、そんな時代の中で苦しむ住民のために、引き止める声も多かったろうに行動したことは、現代の価値観では推し量れないような覚悟が必要だったに違いありません。
自分の信念に従った行動、それによる結果は今でも深く心に刻まれています。
竹脇まりなさん
→彼女が語る等身大の悩みや経歴、そして現在掲げる目標に、私は視野が広がる思いでした。
彼女は大手企業に新卒で入社し、それなりにキャリアを歩んでいたと言います。
しかし一方で、自分のやりたいことは何かという悩みを抱え、仕事に支障を来すほどに考え込んだそうです。
なんとなく興味のあったヨガやフィットネスを学び、旦那さんの仕事の都合で渡米したのを機にYouTubeを開始、今や旦那さんと二人三脚で手がける事業まで展開されております。
きっと会社を辞める時、YouTubeを始めた時、こんなストーリーを想定していた訳ではないのでしょう。
けれど、なんとなく興味があることを始めて、続けていくうちに、自身の活動の社会的意義を見出し、それを形にしている姿はとてもかっこいいと思います。
二人に共通して言えるのは、「自分の信念に従って行動した結果が社会貢献につながる」ことでしょうか。
そして、それは自分がそうなりたいと思い、今足りていない要素だと言えるかもしれません。
2. 今の社会に足りないと感じるものは何か
これは常々考えていることですが、「余裕」が足りていないと感じています。
ベトナムのあるスーパーでは、店員さんが椅子に座りながらレジ打ちをするそうです。
日本でもやればいいのにと思いますが、すぐさま苦情が寄せられてしまう様子が目に浮かぶようです。
こうした背景には、他人への不寛容さ、余裕の足りてなさがあると思います。
つまり「自分がこんなに大変な目に遭っているのに、あいつが楽をするのは許せねえ」と言った気持ちです。
これは、自分が望んでいないレールを歩かされ、仮面を押し付けられた我々社会人の鬱屈さが表出した結果と言えるかもしれません。
今を生きる日本人たちに、もっと他人への寛容さ、そしてそれを生み出す精神的余裕さえあれば、もっと住みよい社会になるに違いありません。
それはGDP向上よりも、日本人の幸せに直結するはずです。
本書ではこうした価値観・考え方を問う質問が5個用意されており、
さらに巻末特典として追加の質問もあり、それに答えることで、自分の価値観を整理することができます。
これらの質問に答える中で、自分の価値観キーワードを書き出し、
それをグルーピングしていきます。
私の場合、以下の5つのグループと、それに属する価値観キーワードが出てきました。
「興味・好奇心」のグループ
好奇心、風情、をかし、味わう、教養、学び、深い、面白い
「柔軟」のグループ
自由、柔軟、視野広く、根無し草、今を大事にする
「余裕」のグループ
余裕、ゆとり、遊び、寛容、オープン
「自律」のグループ
自律、納得、実行、信念、徳
「安心」のグループ
安定、平穏、ユーモア、楽しむ、調和
これら5つの価値観について、より基礎となるものを下位に、より目的となるものを上位に置いた順位付けを行います。
- 好奇心
- 柔軟
- 安心
- 余裕
- 自律
「自律」自分という人間が他者依存することなく存在することで、初めて「余裕」が生じる
「余裕」があることで「安心」が生まれ、「安心」な状態は「柔軟」な心を持つことにつながる
そして「柔軟」な心が、身の回りのことを面白がれる「好奇心」へと育つ
上記の順序はこんなロジックで考えました。
もしかしたら、もっとセンスの良いグルーピングや順位づけもあるかもしれませんが、今のところはこれが一番しっくりきます。
さらに、この中で周囲に広めていきたい価値観はどれかを考えます。
それこそが仕事の価値観となります。
ここで、他者へ価値を提供しようとした経験を10個あげるというワークを行い、それぞれの行動によって、自分はどんな価値を提供しようとしたのかを考えていきます。
私は10個の経験から、「余裕」という価値を最も多く提供しようとしていたことがわかりました。
すなわち私にとって「やりたいこと」とは「余裕」という価値を他者へ広げていくための手段であると言えます。
「余裕」が周囲にも広がることで、最終的には自身の「好奇心」が満たされる社会を実現できると言えるでしょう。
②に続く