スイカ食べたい日記

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【読書感想】「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方 川野泰周

本書はAmazonのPrime Readingで読み放題となっていた本です。

タイトルから、今の私に必要な本だ! と思い、早速読んでみました。

 

シングルタスクは脳を元気にするが、マルチタスクは脳を疲労させる

現代人はマルチタスクを行いがちで脳疲労しやすい環境にある、と川野先生は言います。

これは思い当たる節が多いですね。

私はつい効率的な気がして、仕事でも日常の家事でも、よくマルチタスクをしてしまいます。

でもそれは「効率よくこなしている自分」に酔っているだけだったのかもしれません。

思えば複数のメールを同時並行で書いたり、複数の資料を同時に探している時よりも、

集中して資料を作ったり、単に数字を入力するだけのようなシングルタスクの方が、終わったあとの達成感を味わえました。

マインドフルネスでは、呼吸などのシングルタスクに集中することで、脳のリフレッシュを図ります。

 

私は極端に走りがちで、「よし、マルチタスクは今後一切禁止!シングルタスクだけやって脳を疲れさせない!」と考えてしまいますが、

そもそも日常生活でマルチタスクを一切しないなんてことは難しいです。

川野先生は脳が全く疲れない生活は不可能とし、自分を正しく休ませることが大事だと言います。

そして、脳を正しく休ませる方法がマインドフルネスなんですね。

 

レジリエンス、自己肯定感の回復のため、自分をコントロールする感覚が大事

レジリエンスは最近よく耳にするワードで、「しなやかさ」とか「回復力」と訳されます。

自分にとって辛い状況にうまく適応する・受け流す力、といったところでしょうか。

 

今の私にはどちらもありません。

少しでも嫌なこと(例えば仕事を想起させるもの)があると、途端に気分が落ち込みます。

表情は固まり、頭は真っ白になり、何をする気も起きず、何もできない状況になります。

そしてソファにうずくまり、やがてそんな自分に嫌気が差して、さらに自己嫌悪する……そんな負のループに陥りやすい日々です。

 

そんな下がりきったレジリエンスと自己肯定感の回復のために、自分をコントロールする感覚が重要だと本書で述べられています。

「自分をコントロールする」とは「自分がやりたいと思っていた行動を取る」と言い換えられています。

やりたいと思っていたことができず、やりたくないことに従い続けると、心が疲れ、気力も無くなっていくといいます。

 

コロナ禍で鬱状態の人が増えた原因も、この辺りにあるのかなと思います。

やりたいこと(外出や旅行)ができず、やりたくないこと(自粛)に従い続け、いつしか自分が何をやりたいのかも分からなくなる……

今の私はまさにそんな状況です。我慢していたやりたいことが何だったのか、全く思い出せません。

これまでの自分を蔑ろにし過ぎて、「自分がやりたいこと」への感度が鈍っているのかもしれません。

これからは、自分のやりたい! をもっと大切にしていこうと思います。

 

日常生活にマインドフルネスを取り入れる

本書では日常生活において、上手に脳の疲労を回復・軽減する方法が紹介されています。

中でも私が生活に取り入れていきたい内容を、いくつかピックアップしたいと思います。

  • 朝、日光を浴びる
  • 考え過ぎた時など、呼吸に集中する「呼吸瞑想」を行う
  • 自然の音、あるいはジャズを聴きながらリラックスする
  • アロマオイルで気分転換する
  • スロージョギングで自分の状態を観察しながら走る
  • マイナスの言葉を「プラスの言葉+やんわり否定」に言い換える

今まで読んできた本の内容とも重複する部分がいくつかありますね。

それだけ実践する価値があること、やるべきことだと言えるのかもしれません。

こんな風に、別々の本から似たような内容を発見することも、読書の楽しみの一つですね。

 

 

以前読んだ「世界のエリートがやっている 最高の休息法」(著:久賀谷 亮)にてマインドフルネスの医学的効果については触れたことがあったため、

「そう言えばこんなこと書いてあったな〜」と思い出しながら読みました。

 

『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』は、タイトルにもある通り著者の川野先生がお医者さんであり、かつ現役のお坊さんであるためか、

読んでいてまるでカウンセリングを受けているような、あるいは説法を受けているような、そんな読者に寄り添った優しい文章の本でした。

 

『世界のエリートがやっている 最高の休息法』は、こちらも著者は現役の精神科のお医者さんですが、

こちらはお医者さんの医学的見地、臨床経験を基に書かれており、また物語形式で話が進むため、登場人物の悩みに自分の状況を照らし合わせながら読むことができます。

こちらも再度読み直してみようと思いました。

 

「最高の休息法」を買ったのは確か昨年末ごろで、買った当時も睡眠に悩んでいました。

そう考えると、私の睡眠障害はなかなか根が深いように思います。

以前はマインドフルネスを良いことだと分かっていても実行に移せずにいました。

そしてそのままズルズルと睡眠状況は悪化し、現在の休職に至ります……

今回改めて学び直し、自分の生活習慣として取り入れられるよう工夫してみようと思いました。