スイカ食べたい日記

本・映画の感想、適応障害の経過、暴君な夫との日常

【読書感想】「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方 川野泰周

本書はAmazonのPrime Readingで読み放題となっていた本です。

タイトルから、今の私に必要な本だ! と思い、早速読んでみました。

 

シングルタスクは脳を元気にするが、マルチタスクは脳を疲労させる

現代人はマルチタスクを行いがちで脳疲労しやすい環境にある、と川野先生は言います。

これは思い当たる節が多いですね。

私はつい効率的な気がして、仕事でも日常の家事でも、よくマルチタスクをしてしまいます。

でもそれは「効率よくこなしている自分」に酔っているだけだったのかもしれません。

思えば複数のメールを同時並行で書いたり、複数の資料を同時に探している時よりも、

集中して資料を作ったり、単に数字を入力するだけのようなシングルタスクの方が、終わったあとの達成感を味わえました。

マインドフルネスでは、呼吸などのシングルタスクに集中することで、脳のリフレッシュを図ります。

 

私は極端に走りがちで、「よし、マルチタスクは今後一切禁止!シングルタスクだけやって脳を疲れさせない!」と考えてしまいますが、

そもそも日常生活でマルチタスクを一切しないなんてことは難しいです。

川野先生は脳が全く疲れない生活は不可能とし、自分を正しく休ませることが大事だと言います。

そして、脳を正しく休ませる方法がマインドフルネスなんですね。

 

レジリエンス、自己肯定感の回復のため、自分をコントロールする感覚が大事

レジリエンスは最近よく耳にするワードで、「しなやかさ」とか「回復力」と訳されます。

自分にとって辛い状況にうまく適応する・受け流す力、といったところでしょうか。

 

今の私にはどちらもありません。

少しでも嫌なこと(例えば仕事を想起させるもの)があると、途端に気分が落ち込みます。

表情は固まり、頭は真っ白になり、何をする気も起きず、何もできない状況になります。

そしてソファにうずくまり、やがてそんな自分に嫌気が差して、さらに自己嫌悪する……そんな負のループに陥りやすい日々です。

 

そんな下がりきったレジリエンスと自己肯定感の回復のために、自分をコントロールする感覚が重要だと本書で述べられています。

「自分をコントロールする」とは「自分がやりたいと思っていた行動を取る」と言い換えられています。

やりたいと思っていたことができず、やりたくないことに従い続けると、心が疲れ、気力も無くなっていくといいます。

 

コロナ禍で鬱状態の人が増えた原因も、この辺りにあるのかなと思います。

やりたいこと(外出や旅行)ができず、やりたくないこと(自粛)に従い続け、いつしか自分が何をやりたいのかも分からなくなる……

今の私はまさにそんな状況です。我慢していたやりたいことが何だったのか、全く思い出せません。

これまでの自分を蔑ろにし過ぎて、「自分がやりたいこと」への感度が鈍っているのかもしれません。

これからは、自分のやりたい! をもっと大切にしていこうと思います。

 

日常生活にマインドフルネスを取り入れる

本書では日常生活において、上手に脳の疲労を回復・軽減する方法が紹介されています。

中でも私が生活に取り入れていきたい内容を、いくつかピックアップしたいと思います。

  • 朝、日光を浴びる
  • 考え過ぎた時など、呼吸に集中する「呼吸瞑想」を行う
  • 自然の音、あるいはジャズを聴きながらリラックスする
  • アロマオイルで気分転換する
  • スロージョギングで自分の状態を観察しながら走る
  • マイナスの言葉を「プラスの言葉+やんわり否定」に言い換える

今まで読んできた本の内容とも重複する部分がいくつかありますね。

それだけ実践する価値があること、やるべきことだと言えるのかもしれません。

こんな風に、別々の本から似たような内容を発見することも、読書の楽しみの一つですね。

 

 

以前読んだ「世界のエリートがやっている 最高の休息法」(著:久賀谷 亮)にてマインドフルネスの医学的効果については触れたことがあったため、

「そう言えばこんなこと書いてあったな〜」と思い出しながら読みました。

 

『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』は、タイトルにもある通り著者の川野先生がお医者さんであり、かつ現役のお坊さんであるためか、

読んでいてまるでカウンセリングを受けているような、あるいは説法を受けているような、そんな読者に寄り添った優しい文章の本でした。

 

『世界のエリートがやっている 最高の休息法』は、こちらも著者は現役の精神科のお医者さんですが、

こちらはお医者さんの医学的見地、臨床経験を基に書かれており、また物語形式で話が進むため、登場人物の悩みに自分の状況を照らし合わせながら読むことができます。

こちらも再度読み直してみようと思いました。

 

「最高の休息法」を買ったのは確か昨年末ごろで、買った当時も睡眠に悩んでいました。

そう考えると、私の睡眠障害はなかなか根が深いように思います。

以前はマインドフルネスを良いことだと分かっていても実行に移せずにいました。

そしてそのままズルズルと睡眠状況は悪化し、現在の休職に至ります……

今回改めて学び直し、自分の生活習慣として取り入れられるよう工夫してみようと思いました。

 

服を断捨離した話

先日、ようやく思い立って服を断捨離しました。

抑うつの症状が強い時は整理整頓が一切できず、クローゼットは散らかり放題。閉めた扉から服の裾がはみ出ているような状況でした。

いらない服を近所の古着屋に持ち込み、クローゼットはスカスカになりました。

 

これは一か八かですが、平日着る服を制服化しようと考えています。

月曜日はこの組み合わせ、火曜日はこの組み合わせ……

自分で考えた、「これはちょっとイカすんじゃない?」という組み合わせを予め決めておけば、毎朝迷わずに着替えられると思ったからです。

テレワークが始まって以来、私は平日のほとんどを部屋着で過ごすようになりました。

今も起きてからずっと部屋着です。

部屋着は楽でいいですが、例えばちょっと外に出たい時に「着替えなきゃ…」と一つハードルが増えてしまいますし、何より部屋着だとやる気が起きません。

気分の切り替えができずダラダラ過ごしてしまう、外に出るのも面倒で引きこもりがち……こんな生活が抑うつ症状の原因の一つだと考えています。

それでも毎日私服を考えるのは面倒です。

 

そこで、制服化を導入してみようと思いました。

福田麻琴さんの『ただ着るだけでおしゃれになる ワンツーコーデ』と『コスパのいい服』を参考に、コーディネートを組むことにしました。

2冊とも、ベーシックかつオシャレな着こなしが写真付きでたくさん載っていて、イメージが掴みやすかったです。

とりあえずは平日5日分の服をユニクロやGUなどのプチプラで揃えてみました。

流石に土日くらいは自分の趣味や気楽な服を着たいので、まずは5パターンで挑戦してみます。

(今の私に平日も休日もありませんが…)

 

一か八かというのは、この平日を意識した服が今の私には仕事を想起させて、気分の落ち込みがひどくなるのではないか、という懸念です。

夏頃は、自分の通勤服を見ただけで吐き気がし、オフィスカジュアルの服装への拒否感・嫌悪感が強く出ました。

今は多少改善しましたが、断捨離する際に通勤服を手に取るとやはり顔が引きつってしまい、目を逸らしながら服を処分しました。

 

今回の5日分の服は、オフィスカジュアルと私の好みの間くらいを目指しました。復職した時も同じ服を着るためです。

改めて文字に起こすと、自分の焦りがよく分かりますね。

復職なんて、具体的に想像つきもしない。それなのに復帰したときのことばかり考えてしまう……

この焦りと拒否感の矛盾が、再びメンタル不調の原因とならないか、少し心配しています。

ただ、毎日着替えるハードルを低くすることで、外にも出かけやすくなり、行動的になれるかな、とも考えています。

 

この賭けがどちらに転ぶか分かりませんが、メンタルが不調に陥ってしまった時は、まだまだ私の認知が歪んでいる証拠だと思います。

【映画感想】引っ越し大名!

「記憶にございません!」に引き続き、見ていて楽しいコメディ映画を選びました。

視聴後に調べたのですが、実在する大名・松平直矩のエピソードを基にしているようです。

歴史上の事実として、幕府が大名に力を付けさせないために参勤交代や国替えを行った、ということは知っていましたが、当時の国替え=引っ越しはこんなにも大変なのかと思いました。

 

主演は星野源さんです。星野源さんって、なんというかちょっと頼りなく情けないんだけど誠実で、次第に成長するような役どころがとても上手なイメージがあります。

本作でも最初は頼りない引きこもり侍が、最後はとても粋な計らいを見せる場面がありました。

全体を通して下ネタが多く(笑)、いわゆる男子校のノリといった感じで見ていて楽しかったです。

 

以下、ネタバレを含む感想です。

 

主人公が仕える松平家は幕府の都合で度々国替えをさせられており、本作では播磨姫路から豊後日田への引越しを命じられます。

その上これまでの15万石から7万石への減封となり、引越し奉行を命じられた主人公は家臣たちのリストラを敢行します。

 

リストラといっても、現代のように首を切ってサヨウナラ〜ではなく、再び国替えで石高が元の15万石に戻った時は必ず迎えに行くから、それまでは姫路で農家として頑張ってくれ、といったものでした。

そんなこと言われて「ハイ分かりました」なんて、すぐに言えませんよね。

国替えは数年おきにあるとはいえ、次いつあるかなんて分からないし、ましてや石高が増えるまで待っていたら、いつになることやら……

特に当時は「士農工商」と言われた時代ですし、武士が農民になるなんて…! とプライドを傷つけられた家臣たちも多かったことでしょう。

 

とある家臣は「自分はこんなにも松平家に使えてきた。それなのになぜ忠義者の自分がリストラされるのか」と主人公に問い詰めました。

主人公は「人望のあるあなただからこそ、姫路に残す家臣たちを、迎えに行くまで取りまとめていて欲しい」と告げました。

見捨てるわけではなく、本気で迎えに行くと考えているからこそ、この人選なんだなと思わされました。

普通だったら有能な人を残したいですもんね。

少し趣旨が違いますが、8代将軍徳川吉宗が大奥の美女50人をリストラした話を思い出しました。

こちらは器量の良い娘たちなら、大奥を出ても職にあぶれることはない、との理由として知られていますが、

どちらもリストラする理由が「いらないから」ではないところに優しさを感じます。

 

この武士から農家へのジョブチェンジですが、最近行われている航空業界から他業種への人材派遣と似ていると思いました。

お家存続のため農家へ転身する家臣と、企業存続のため他業種へ派遣されるCAさんたち。

状況は全く違いますが、個人レベルで見ればほぼ同じことなのかな、と思いました。

この映画が公開されたのは2019年の夏で、当時はコロナなんて影も形もありませんでした。

まさかその1年後に、組織存続のために自分が別の仕事に従事するなんて、誰も想像できませんよね。

 

さて、映画では豊後日田への国替えから15年後の国替えで、ようやく元の15万石に戻ることが叶いました。

主人公が姫路の家臣たちを迎えに行きます。見事な段々畑のシーンが美しかったです。

農家として生活していくうちに、家臣の一人は「天に生かされていることが分かった」といいます。

その家臣は、15年前のリストラの際、最も抵抗した内の一人でした。

彼は、主人公が迎えに来る前から彼を含む数名はここ姫路に残り、農家として生きていくことを決めていた、と語ります。

彼にとって農家になることは青天の霹靂とも言える出来事で、決して望んだ訳ではないはずです。

それでも、その仕事にやりがいを見出し、たくましくポジティブに生きていく姿に感銘を受けました。

今の私も、決して望んではいない状況にありますが、それでも彼らのように「天に生かされ」ながら自分なりの道を見つけていきたいと思いました。

身だしなみに気を遣えない

私は元々、そこまで美容やファッションに熱中するタイプではありませんでした。

それでも美容室に行くのは好きだったし、シーズンごとに洋服屋さんを物色するのも好きでした。

「デパコス挑戦してみたいな〜」と思いつつ、プチプラコスメを使ったメイク術をYouTubeで検索したり、

時々ご褒美的にパックしてみたりするような、典型的な20代だったと思います。

 

それらに全く興味を持てなくなってしまったことに、最近気がつきました。

髪をしばらく切ってません。いつから切っていないのかも思い出せません。

メイクもスキンケアもしなくなりました。

持病のアトピーのせいで肌がボロボロになっているのに、そのことにも気がつきませんでした。

「痒いなー、痛いなー」と思うだけで、それが治せるものだとか、病院に行かなきゃいけないとか、そんなことにまで思考が及ばないのです。

お風呂だって、夫に言われるので無理矢理シャワーを浴びていますが、一人暮らしだったら一週間くらい浴びずに生活していたかもしれません。

(夫は私がシャワーを浴びると褒めてくれるので、こういうところの扱いが上手いなーと思います。とても助かってます)

 

鏡を見ても、自分の顔が今ひとつピンとこないのです。

頭の中がネガティブな黒い靄に覆われていて、そこまで考える・認識する力が失われているなと思いました。

こんな風に文章化出来るようになっただけ、かなり進歩したと言えます。

 

昔(といっても1~2年前)の自分は毎朝化粧して、服を着替えて、お弁当を持って出社して、帰ってきたら化粧を落として、お風呂に入って、ご飯を食べて、ダラダラしてから寝ていたんですね。

毎日ソファにうずくまり、理由もなく涙を流している今の自分からは想像もつきません。別人の記憶のようです。

 

まずは皮膚科に行き、アトピーの湿疹を治すところから始めたいと思います。

アトピーは小さい頃からの付き合いで、よく「大人になれば治るよ」と言われましたが、治っていません。

それどころか、社会人になってから年に一度はひどく悪化するようになりました。

環境の変化、ストレスが原因でしょうか……。

【読書感想】習慣を変えれば人生が変わる マーク・レクラウ

本書では、人生を好転させるための良い習慣が100項目に渡って紹介され、項目によってはワークが付いていて自分なりの考えを深められるようになっています。

100項目全てを実践しようとすると、一日中習慣のことばかり考えてしまいそうなので、そのうち私が取り入れたいと思った項目をいくつかピックアップしました。

 

自制心と意志力

著者は、自制心と意志力があれば人生で大きなことを成し遂げられると言います。

大きなことを成し遂げたいかは別として、私は自制心も意志力もどちらもないな〜と感じます。

自制心の無さは、楽な方に逃げようとしてしまう姿勢に表れています。

今のうちに自制心を鍛えておかないと、復職したとしてもすぐにまた休職してしまいそうです。

こんな風に不安がっているうちは、まだメンタルが不安定なのかもしれません。

意志力もありません。目標や理想の姿がないから、自分の意志も意欲も沸いてこないんだと思います。

自分はどうしたいのか、どうなりたいのか、ついつい実現可能性を踏まえて考えてしまいがちですが、そうすると今の私に取れる選択肢はあまりに少ないです。

まずは現実的な制限を無視して、どんな自分だと毎日が楽しいのかを考えてみようと思いました。

 

本書では自制心・意志力を鍛える方法として、目標を細分化、一つ一つやり遂げることから始めてみることを推奨しています。

つまり実行のハードルを低くするという話で、以前読んだ本でも何度か出てきました。

家事や運動など日々の一つ一つのタスクに対して、小さい目標を設定して、少しずつクリアしていく。こうした成功体験の積み重ねが、自制心・意志力となるのだと思います。

また、目標達成後の姿をイメージすることも推奨されています。

私は朝のウォーキングを習慣にしたいと思っていますが、特に朝起きれない時などに、布団の中で今起きて散歩に行ったらどんなに楽しいか想像して見ることから始めたいと思います。

 

良い習慣を身につける

「習慣」で検索するとたくさんの本や記事が出てきます。

私もこんな本を読むくらいだから、良い習慣を身につけて、毎日を有意義に過ごしたいと考えています。

金融の複利に例えられるように、良い習慣の積み重ねは良い結果を生むと頭では理解していますが、それでもいきなり良い習慣を身につけるのは難しいです。

朝は眠いですし、外に出るのは怖いし、料理するのはめんどくさいし……

本書では良い習慣の重要性を説きつつ、1ヶ月で3つ、3ヶ月で10個の習慣の確立を推奨しています。

 

これは社会人になりたての、入社直後にやっていたことがあります。

まず最初の週は6時起きに慣れて、その次の週は朝ごはんを作ってみる、さらにその次はお弁当に挑戦…

いつの間にか週次の目標設定をやらなくなってしまいましたが、毎週自分にとって良いことをしているという達成感を味わえて楽しかったのを覚えています。

 

まずはウォーキングを始め、身につけたい習慣を10個考えてみようと思います。

 

現状認識を改める

本書では、物事の良し悪しは考え方次第である、とシェイクスピアの言葉を引用しています。

悪いと感じる状況、失敗と思うような経験にもポジティブなことを見つける習慣を身につけるのです。

今の私は非常にネガティブ人間で、マイナスに感じる状況に良い面を見出すなんてとても難しいと感じます。

そこで本書では、状況に対してポジティブな表現で言語化することを推奨しています。

 

例えば休職

今自分が置かれている状況を改めて振り返ると、情けなく、罪悪感に溢れ、どうしようもない絶望を感じて落ち込んでしまいます。

それをポジティブな表現で捉え直すと、

「今は自分に合った生き方、考え方を探すために時間を取っている」

「健康を取り戻すために休養する時間が必要」

こんなところでしょうか。

 

大学生の頃は割とポジティブで、こんな考え方をしていたように思います。

お金がなく、光熱費を払うのも苦しい時は

「こんな経験、むしろ今のうちしかできない」と開き直ってお金の工面に勤しんでいました。

ひとり旅でトラブルがあった時も、バイトで嫌なことがあった時も

「飲み会での話のネタになるな〜」と思っていました。

いつの間に私はこんなにネガティブ人間になってしまったのでしょうか……

 

感謝の気持ちを大切にする

本書では感謝の気持ちを持つことの効果を紹介し、その日に感謝したことを3つ程度日記に書き留め、寝る前に振り返ることを勧めています。

感謝は気持ちの余裕がないとできないことだと思います。

余裕があれば、仕事上でも日常生活でも、人の些細な気遣いに気がつき、感謝することができます。

気持ちが落ち込んでいる今は、感謝よりも「申し訳なさ」や「罪悪感」でいっぱいになってしまいます。

あるいは、今まで何とも思わなかったような些細なことにも攻撃的になってしまうこともあります。

最近感謝できているかどうかは、自分の気持ちの余裕を測るバロメーターになりそうです。

感謝日記をつけて、それを振り返ることで自分のメンタルの回復具合、不調具合を観察してみようと思います。

 

失敗を恐れず、前向きに捉える

いわゆる成功者の多くは、その偉業の陰でたくさん失敗をしているとよく言われますよね。

何かを成し遂げようと行動を起こすと、大抵の場合は失敗します。

本書では失敗を恐れないためにエジソンの名言を引用しています。

失敗したのではなく、うまくいかない方法を一万通り見つけることに成功した

 

でも私は捻くれているので、「そんなの、成功した後だから言えるんでしょ」と穿ってしまいます。

私には出口さんの「だいたいの人の企ては失敗する。むしろ失敗したら多数派になる」という考え方の方がしっくりきます。

失敗は怖い。でも、みんなと違う道を歩く方がもっと怖い。

卑屈で小心者な考え方ではありますが、このくらい身の丈に合わせて、失敗を恐れないようになりたいものです。

 

アファメーションを活用する

アファメーションは自分が望む状況について、肯定的に宣言することと本書にて紹介されています。

本書ではアファメーションによって潜在意識にポジティブな言葉を信じ込ませ、それに基づいた行動が必要な人や物を引き寄せる、といった効果があるとされています。

これは心理学でいうカラーバス効果に近いと言えます。

また、認知行動療法にも近いのかな、と思います。

 

今の私は自分に対してとても否定的です。

あれができない、これができない

だから私はダメなんだ、生きていても無意味でみんなに迷惑をかけるだけなんだ……

ふとしたきっかけで思考がそんな風に傾いていくと、あとはズルズル坂道を滑り落ちるように気分も落ち込んでいきます。

そんな日はソファにうずくまって泣くことしかできず、そうした自分の状況を見てまた落ち込む、負の連鎖に容易に陥りやすい状況です。

落ち着いている時は、「今はそんなこと考えなくていい」と冷静になれるのですが、否定的な思考の癖はなかなか治りません。

 

アファメーションを活用して、自分にポジティブな癖付けを行っていこうと思います。

自分で自分を洗脳しているみたいですが、何事も辛いと考えてしまう現状よりは遥かにマシです。

 

 

上記以外にも「早起きして散歩する」「瞑想をする」などの具体的な行動習慣も紹介されていました。

特にこの二つは、他の書籍でもストレス軽減・メンタルの向上に効果的だと言われていますね。

 

これを踏まえて、まずは以下の習慣を身につけたいと思います。

  • 毎朝散歩する
  • 寝る前に瞑想の時間を取る
  • 感謝日記をつける
  • 自分を褒める日記をつける
  • 毎朝アファメーションする

今の私は不安感や絶望感よりも、焦りや罪悪感が大きいと感じています。

だからこそ、このような習慣化だったりビジネス書を読んで、早く良くならなきゃ、休職前よりも強くならなきゃと意気込んでいるような気がします。

前向きに何かに取り組むことは良いことですが、「早く早く早く!」と自分を急かすのはあまりよろしくないはずです。

ちょっとずつ、ちょっとずつ調子を上げていければいいなと思います。

時をかけられないさとり

これまで仕事を楽しいと思ったことは、考えてみれば一度もないような気がします。

楽しかったとしても、それは同期や先輩たちとの会話が楽しかったのであって、仕事に対して達成感ややりがいを感じたことはありません。

それでも、仕事なんて嫌なことをやるものだと割り切って働いていました。

 

割り切れずにこんなに悩むようになったのは、久々に読書にハマり、朝井リョウさんの「時をかけるゆとり」を読んだことがきっかけです。

本を読む暇もなく遊びやバイト、授業に明け暮れていた大学生時代に、多分唯一買った本です。

大学生時代の大変だったけど楽しかった、充実した思い出が否応なく蘇りました。

そして、ふと現在の私に立ち戻り、「あれ、今の私全然楽しくないな……」と気づいてしまいました。

 

元々、小・中・高校とものすごく学校が好きな児童・生徒ではありませんでした。

不登校になる程嫌いというわけではないけど、好きでもない。できれば夏休みがずっと続いて欲しい。

嫌いな習い事に小さい頃から通っていたことも相まって、私は「人生は大抵嫌なことだけど、それでも耐えて過ごすしかない。楽しいのは芸能人とかごく一部の人たちだけ」と考えるようになっていました。

 

その思考が大学生になり、一変しました。

私は生まれて初めて、「人生って嫌なことを耐えるものと思っていたけど、ちゃんと楽しんでいいんだな」と感じました。

振り返れば、履修もゼミもバイトもサークルも、自分でやりたいと本心から思ったから頑張ることができました。

私はバイトや授業に追われながらも、それでもサークルでのやりがいや達成感を味わいながら、日々過ごしていました。

 

さて、今の自分は達成感もやりがいも感じたことはありません。

そもそも、本心からやりたい仕事かと問われれば、はっきりとNOと答えることができます。

この仕事を選んだのは、条件が良かったからに過ぎません。

そんな仕事で毎日消耗する中で、「時をかけるゆとり」を読み、笑って、思い出に浸って、ふと「人生って楽しんでいいんだ」という感覚を思い出しました。

 

大学生の時のように楽しく自由な時間を過ごしたいだなんて贅沢は言わない、せめてあの時感じたような熱量と達成感を日々の中で味わいたい…

そんな社会人なんてほんの一握りかもしれません。

でも、嫌なことに向き合うために精神をすり減らすのではなく、何かに向かって集中して取り組んで疲れたい、同じ疲労でも後者の方が格段に良いと私は思うのです。

【読書感想】本当に頭が良くなる1分間勉強法 石井貴士

これはちょっと前に出版された本で、私が中学生の頃に読んでいました。

冒頭からアレですが、私は「1分間勉強法」については中学生当時から一度も実践したことはありません。

タイトルで提唱されている1分間勉強法には、本を1分で読み切る方法が紹介されていますが、

本の虫としては「いやせっかく読んでるのに勿体なくない…? ほんとに内容頭に入るの…?」と感じてしまいます。

 

しかし、本書で紹介されているその他の部分については、中学・高校時代の勉強に取り入れていた部分もあり、今回改めて読んでみようと思いました。

 

モチベーションが上がる

本書冒頭では、石井さんが1分間勉強法にたどり着いたきっかけとなる大学受験の話が紹介されています。

現役時代に全滅し、一浪の末慶応に合格されていますが、その過程は同じ受験生の私としては勉強のモチベーションになりました。

また、随所に石井さんの「誰でもやれば出来ます!」というメッセージが見られるため、読んでいるだけでも励まされている気持ちになれます。

 

読書こそが自分への最大の投資

石井さんはとにかく多読を推奨されています。

一つのジャンルについて、200冊読めば専門家になれる、と本書で仰っていますが、その点については「ほんまかいな」と軽く流します。

 

たくさんの本を効率的に読むための方法として、「ワンミニッツ・リーディング」を提唱されています。

この手法では、文章を目で追わず、とにかくページをめくり続け、気になったところに印をつけるというやり方で一冊を終えます。

私はそこまで大胆な読み方はできませんが、斜め読みをする時に一部取り入れていることに気がつきました。

例えば専門用語がたくさん出てくる文章は、門外漢の私が丁寧に読み込んでも目が滑ってしまい、挙句「やーめた」と本を閉じてしまいます。

そういった時は文章を目で追わず、さらっと眺めるだけにして、自分が知りたいなと思うキーワード周辺だけを読みます。

そうすることで、なんとなく概要が掴めたりすることもあります。

 

五感を活用する

石井さんは「ワンミニッツ・リーディング」にさらに色彩を取り入れます。

色付きのルーズリーフに覚えたい事項を書くことで脳が刺激され、より記憶に残りやすくなる、というのです。

論理的思考は主に左脳で行われますが、ここでは色を用いることで右脳を活用するのだそうです。

また、本書では勉強の際は視覚だけを使うのではなく、音読したり(聴覚)、歩き回ったり(触覚)するなど、五感を使うことで記憶の定着を促します。

この五感を刺激、活用する勉強法は本書を参考に中学生時代から続けていました。

私は聴覚、触覚のみならず、ご飯を食べながら単語を眺めたり(味覚、行儀が悪い)、ハッカ油を染み込ませたティッシュを机の上に置いたり(嗅覚、アロマオイルなんて洒落たものは家になかった)、いろいろな方法を試していました。

 

時間ごとに勉強内容を変える

石井さんは1日を三分割し、朝・昼・夜で勉強内容を変えようと提唱されています。

これは脳の働きが朝は鋭く、夜になるにつれて鈍くなっていくためです。

半年くらい前、TOEICの勉強をしていましたが、その時は朝は問題演習、夜は単語の暗記、といった具合に時間帯で勉強内容を変えていました。

 

本書は画期的な勉強法が紹介されており、画期的過ぎて万人に向いている方法かというと、必ずしもそうではないと思います。

ただ、本書での石井さんの勉強に対する姿勢はモチベーション向上に繋がります。中高生時代の私は定期的に読み返し、「頑張るか!」と気合を入れていました。

また勉強法の中でも取り入れられる点があったり、時間の使い方も紹介されていたので、今の自分にも活きてくるものが多いな、と感じました。